貴公子?いいえ、俺様男です
パタン…
ドアを開け、室内に入った俺は、すぐに浴槽にお湯を溜める。
「里菜ちゃん、上着脱いで。
浴室に掛けて乾かそうよ」
雨に濡れて、やっと温かい室内に入った安心感からか、里菜ちゃんは、ぼーーっと立ったままだ。
里菜ちゃんから、上着を受け取り、自分の上着と一緒に浴室に干す。
「もうすぐお湯が溜まるから、里菜ちゃん、先温まってきて」
相変わらず、ぼんやりしている里菜ちゃんを浴室へ連れて行く。
「ジーンズ…濡れたな。
ジーンズはそこのバーに干そうよ」
洗面所にパジャマが置いてあるのを発見
「服が乾くまで、これ着てよう」
二人とも、濡れたのは上着とジーンズで中に着てる服は、少し湿ってる程度だった。
腕時計を外し、身につけていた携帯や財布をテーブルに置く。
「靴も乾かさないと…後で浴室に置いてくるか」
ジャーーッ…
しばらくして、里菜ちゃんがシャワーを使い始めた音が聞こえた。
その間に、俺は電気ケトルでお湯を沸かし、近くに添えられていたパックで、緑茶を淹れた。
カチャ…
パジャマを着た里菜ちゃんだ。