貴公子?いいえ、俺様男です

大切な存在

身支度を整え、俺と里菜ちゃんは、ラブリーな部屋を後にした。



フゥーーッ


俺の鉄壁の理性をほめてほしい。

寒さに耐えられなくなった俺は、掛け布団を少しだけ分けてもらおうと、ベッドで眠る里菜ちゃんの横に潜り込んだんだ。

かなり、ふちに寝てたはずだったのに目が覚めたら、里菜ちゃんを抱き枕にしていて驚いた。

いや…驚いたってもんじゃない。

夜中に一度起きた時は、眠気の方が勝ってて、深く考えなかったが、しっかり目覚めた朝は、もうパニックだ。

里菜ちゃんを抱きしめてる俺
…思わずパジャマを見る。

ちゃんと着てる。

無意識に襲った形跡は…ない。

…ほっ!

以前は、軽いノリで女の子を(瑛二曰く)
喰いまくってた俺は、ノリで遊ぶことをやめた。

やめたというよりも、フラワーアレンジの腕が認められ、仕事の依頼も増えてきたから、暇がなくなっていた。

何よりも、仕事が楽しくて夢中なまま今に至るといった方が正しい。

あからさまにアプローチしてくる女性も時々はいたが、俺はのらりくらりとかわしていた。

"花の貴公子"と呼ばれる頃には、草食系男子っぽい?話し方も板に付いた。




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