貴公子?いいえ、俺様男です
「なんですか。そのドヤ顔は…。

分かりましたよ。お義兄さん?」


「おう」


それでいい。


「ところで、さっきのかわいい彼女は何者なんです?」


げっ…見られたか?


「どの女性のことかな?」

「しらばっくれちゃって。真っ赤なドレスの彼女ですよ」

「ああ。うちの店で販売してる子だよ。
…彼女ではない」

ニヤリと笑う大樹。

なんだよ。今度は何言い出すんだ?

「ほぉーー。一歩手前ってヤツですね。

胸がキュンキュンですね〜」


…っ!


「マスコミに見つからないようにね〜」

ヒラヒラと手を振って、会場の方へ戻っていく。


「違うんだよ…」

その背中に、俺はつぶやいていた。





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