貴公子?いいえ、俺様男です
披露パーティーはクライマックスだ。

日が落ち、夕暮れ時の空は幻想的だ。

全面ガラス張りのガーデンは、外の寒さを感じさせない。

ぴったり寄り添った二人が、各テーブルのキャンドルに、灯りを灯していく。

各テーブルで、お祝いやら冷やかしやら熱い歓迎をうけ、ときどき視線を合わせ微笑み合う二人。

以前は、二人が一緒にいる所を目にする度に胸の痛みを感じたが、今は穏やかな気持ちで見ることができる。

「シュウさん、今日は葵さんと私のために、素敵な会場にしてくださり、ありがとうございます」

目を潤ませながら、都ちゃんが言う。

柔らかなキャンドルの灯りに照らされた都ちゃんは美しい。

「いいえ。幸せになって。
僕から、かわいい義妹へのプレゼントだよ」

ぺこりとお辞儀し、俺たちのテーブルから離れていく都ちゃんたち。



ぐいっ






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