貴公子?いいえ、俺様男です
パチッ…

里菜ちゃんと目が合う。

俺たちの方を見ていた?
今の会話、聞こえてないよな?
大丈夫だよな…て、何がどう大丈夫なんだ?

なぜ、そう思うのか?自分の感情が分からない。



里菜ちゃんの顔色が元に戻ってる。


酔ってただけだよな。
ときどき、突拍子もないことをする里菜ちゃんだ。
さっきのキスも、そんな感じだろう。

何事もなかったふうにするのが、大人な対応…かな?


目が合った里菜ちゃんに、ふわりと微笑む。


この時、決めた"大人な対応"が、里菜ちゃんを傷付けることになるなんて、思いもしなかったんだ。
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