貴公子?いいえ、俺様男です
さっきの写メを里菜ちゃんに送信する。

♪♪♪〜

「返信早っ!」

誰もいないアパートの一室でつぶやく。

「お、何の写メだろ…

へっ?……」

里菜ちゃんからの返信メールに添付されてたのは、達也の写メだった。しかも三枚も。

文面から、俺が教室の事を知りたいだろうと思っての写メ添付と思われる。でも

「いらね〜よ」

どんな写メでもいいから、里菜ちゃんの顔が…姿が…気配でいいからほしい。


ふっ…


「ホームシックか?」

いや違う。

二週間、パリへ来て思ったこと…里菜ちゃんのことだった。

パリの街を歩いていても、食事をしていても、気がつくと里菜ちゃんのことを考えてた。

さっきの達也の写メを見て、彼女が写メを撮った時の様子を想像した。

写メを撮る時、動く達也をずっと追いかけたんだろう。

嫌だなと思った。






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