貴公子?いいえ、俺様男です
「シュウさん、ごめんなさい。
商品一つ…ダメにしちゃいました」

シュンと音が聞こえそうなほど、落ち込んだ様子の里菜ちゃん。

「いいよ。気にしないで。それより怪我がなくて良かった」


・・・・・








「あ"ーーーっ‼︎‼︎ 」

パラパラパラ……

「うわっ!…修斗、またおまえかっ!」

ほうじ茶のブラマンジェに乗せる小豆を豪快にぶちまけた瑛二が、忌々しげに俺を睨む。

「小豆がたくさん乗ってると、お客さんは嬉しいだろう」

「…なわけあるかっ!
今度はどうしたんだよ?パリ帰りの修斗さん?」

眉間にシワを寄せた瑛二が、話してみろとせっつく。

「べつに何でもない」

こいつは里菜ちゃんを狙っている。

話すもんかっ!


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