貴公子?いいえ、俺様男です
いくら酔っていても、俺のことを何とも思ってないならキスしないよな?

もしかして、あれは里菜ちゃんなりの告白だったのか?

…いやいや、自惚れちゃいけない。

酔うと彼女はキス魔になるのかも…て、明後日飲み会じゃねぇか。

酔って達也にキスする里菜ちゃんを想像しかけて…

「嫌だ!」

「先生?書類が溜まったからって、駄々をこねないの。嫌がらずにチャチャッと目を通してくださいね?」

上田さんに言い聞かされる。

「…嫌がってないから。ちゃんとやってますから!」


ああ、思うままに動けない俺は、情けない。
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