貴公子?いいえ、俺様男です
その都さんに大切な人ができ、しかもそれがシュウさんの弟の葵さん。

切ないシュウさんの気持ちが痛いほど伝わってきて、Rホテルの準備の日、貴船神社でシュウさんに肩を貸したんだ。

現実から目を背けるかのように、詰めて仕事をするシュウさんが心配だった。

その一年後の紅葉の京都は、過労で倒れたシュウさんに元気になってもらいたくて、ネットを駆使し、添乗員さながらにプランを練った。

思いがけず、シュウさんに抱きしめられて目覚めた朝は、パニックだったけど、楽しかったな。

でも、

それも、もうおしまい。

都さんの結婚式の日。
シュウさんに想いが伝わってほしくて、頑張ってキスしてみたけど、シュウさんの態度は変わらなかった。

それって、やっぱり私のことは店の従業員なだけで、シュウさんの特別には、なれないということ。



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