貴公子?いいえ、俺様男です
スッ…

シュウさんが、私の手をそっと撫でる。

「何もないだなんて…そんな事あるもんか。
里菜が、俺のそばにいてくれるだけで
俺は俺らしくいられるんだよ」

穏やかに微笑むシュウさんがいる。

「本当に?…なんか夢見たい」

本当にシュウさんは私のこと好きなの?

「何を考えてるの?」

「えっ、あの…シュウさんはどうして私のこと好きになってくれたの?」

ガバッ!

シュウさんに抱きしめられた。

「何をしてても、気が付けば里菜のことばかり考えてる。
きみが絡むと、冷静でいられなくなる。
里菜がいないこの一年半は、生きてる感じがしなかった」

これじゃ理由にならない?」

カアァァ…

恥ずかしくなってきて、うつむく私。

「………」

「ねえ、初めて女の子に告ってんだからさ、何か言って。褒めてよ?」

「………」

「何にも言わないと、キスするぞ?」

「はい。いいですよ?」

いつかと同じセリフを言って、シュウさんの唇にキスをした。

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