強引な次期社長に独り占めされてます！
私がギョッとしたのと、主任のお友達さんが入ってきたのは同時だった。

「おお。なんだ彼女じゃないのか？　紹介しろ紹介」

大きな声が響いて、主任がとてもとても嫌そうな顔をした。

「タイミング悪い奴だな」

「俺はこういう奴だ」

どこのビックパパだろう。

主任のお友達さんは偉そうに胸を張ると、私の目の前にワイングラスを置きながら厳つい顔をめいいっぱい優しく和ませて微笑んだ。

「俺は高畑政孝。上原とは小学校時代からの腐れ縁ってヤツだな。よろしく」

「初めまして。松浦可南子と申します……」

思わずつられて挨拶を交わしてしまい。目の前の主任にぷっと吹き出された。

「まぁ、ゆっくりしていけ。友香が帰って来るまでは、俺は給仕しながら料理作ってるから」

ガハハと豪快に笑いながら高畑さんは去っていき、それを見送ってからニヤニヤと頬杖をついている主任を振り返った。

「なんの間違いですか」

「本当だな。なんの間違いで、俺はお前が気になるんだろう？」

知らないですよそんなもの。
というか、笑いながら言われても困るのこっちだし。
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