強引な次期社長に独り占めされてます!
「どうかしましたか?」

不思議に思って聞くと、芳賀さんは私を見ながらニヤニヤしてる。

「あ。いや、うーん……主任、話し方変わったなぁって」

「そうですか?」

真面目な顔をして、淡々と話す姿は特に変わりないと思うんだけど。

ぼんやりしていたら、幸村さんが氷のように冷たい表情で席についた。

「あなたたちも気を付けなさいね。営業部、何だかピリピリしているから。それと、松浦さん」

「は、はい!」

ビクつく私を眺め、幸村さんが目を細める。

「営業部の雑魚に、ドアをぶつけられたんですって?」

営業部の雑魚……。
ポカンとしていたら、小さな舌打ちが返ってきた。

「営業部の人間に、怪我させられて黙ってんじゃないわよ。あなたは私の後輩なんだから」

あの……おっしゃっている意味がわかりません。

「芳賀さんも芳賀さんでしょう。見ていたなら、どうして取っ捕まえないの。ツメが甘いのよ仕事も甘いけど」

同じようにポカーンとしていた芳賀さんが、睨まれて硬直している。

「あなたたちの仕事見ていたら、なあなあで腹が立つ」

そう言った瞬間、背後で主任が吹き出した。

振り返ると、内線電話は終わったようで、主任はデスクに肘をつきながら手を組んで、その手の上に俯いている。

「なるほどなぁ。ツンデレは健在かぁ」

ツンデレ? どういう事?
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