強引な次期社長に独り占めされてます!
「主任。いくらもう経理課しかいないからって、仕事中にその口調はやめてください。それに無駄口叩いてないで、真剣に仕事してください」
彼女にピシリと言われて、主任は笑いながら首を竦める。
確かに事務所には私たちだけで、総務課も人事課もいなくなっていた。
いつもは狭く感じる事務所も、何だか見知らぬ事務所みたいに広々と感じる。
……でも、上司を叱りつける平社員も、仕事中にどうなんだろう。とは言え、幸村さんは間違っていない。
ああ、そっか……主任と幸村さんて仲がいいんだ。
それもそうだよね。だって私の先輩である芳賀さんの先輩。
それだけ主任とも過ごしてきた時間が違うんだし、野田さんだって“主任になる前の上原さん”を知っているわけで……。
考えていたら、胸の中がチリッと痛んだ。
「松浦さん。手が止まっているわよ」
今度は私が幸村さんに注意を受けて、ハッとする。
「す、すみません」
それから黙々と仕事をこなして、明日締め切りの分の仕事だけを終らせてからキリのいいところで手を止めた。
「幸村、それは納期一週間後だろう。そこまでついでにしなくていいぞ?」
「明日は用事があるので、残業したくないですし」
幸村さんの後ろに立ち、モニターを見ながら、何気ない主任と彼女の会話を聞きつつ、また胸の奥がチリチリする。
彼女にピシリと言われて、主任は笑いながら首を竦める。
確かに事務所には私たちだけで、総務課も人事課もいなくなっていた。
いつもは狭く感じる事務所も、何だか見知らぬ事務所みたいに広々と感じる。
……でも、上司を叱りつける平社員も、仕事中にどうなんだろう。とは言え、幸村さんは間違っていない。
ああ、そっか……主任と幸村さんて仲がいいんだ。
それもそうだよね。だって私の先輩である芳賀さんの先輩。
それだけ主任とも過ごしてきた時間が違うんだし、野田さんだって“主任になる前の上原さん”を知っているわけで……。
考えていたら、胸の中がチリッと痛んだ。
「松浦さん。手が止まっているわよ」
今度は私が幸村さんに注意を受けて、ハッとする。
「す、すみません」
それから黙々と仕事をこなして、明日締め切りの分の仕事だけを終らせてからキリのいいところで手を止めた。
「幸村、それは納期一週間後だろう。そこまでついでにしなくていいぞ?」
「明日は用事があるので、残業したくないですし」
幸村さんの後ろに立ち、モニターを見ながら、何気ない主任と彼女の会話を聞きつつ、また胸の奥がチリチリする。