強引な次期社長に独り占めされてます!
「そうだな。芳賀は確かに年中頭に花畑があるのかもしれないな」
「いやぁ。幸村さんも丸くなりましたねぇ。近々、彼女も“寿”かなぁ」
「野田は? お前もそろそろ30歳だろう?」
主任と野田さんの会話を聞きつつ、私もパソコンの電源を落とそうとしてシャットダウンをクリックし、画面が消えるのを確認してから立ち上がる。
「僕は彼女もいませんし。そんな僕より主任たちの方が早いんじゃないですか?」
「え……」
主任が笑顔で固まり、私は野田さんの言葉のおかしさに首を傾げる。
“主任たち”って言った?
野田さんは平然と私と主任を見て、くりっと首を傾げた。
「あれ? 違いました? 松浦と付き合っているんでしょう? いいんですけどね。せめて松浦を寿退社させるのは決算期を乗りきってからにしてくださいね。大変だから」
野田さんはそれだけ言うと、コートを羽織って事務所を出ていった。
残された私たちの視線が交わる。
「……可南子。めちゃくちゃ顔赤い」
「見ないでください~」
そして、ワザワザ言わなくてもいいです~。
両手で顔を隠して首を振ったら、笑い声が聞こえてきた。
「あー……思わぬところから言われると、案外照れるもんだな」
「思わぬところから言われ過ぎです。恥ずかしい~」
野田さんは、主任以上にいつも真面目に仕事している……だけの人だと思っていたのに。
「……とりあえず。帰るか」
「あ。はい」
「いやぁ。幸村さんも丸くなりましたねぇ。近々、彼女も“寿”かなぁ」
「野田は? お前もそろそろ30歳だろう?」
主任と野田さんの会話を聞きつつ、私もパソコンの電源を落とそうとしてシャットダウンをクリックし、画面が消えるのを確認してから立ち上がる。
「僕は彼女もいませんし。そんな僕より主任たちの方が早いんじゃないですか?」
「え……」
主任が笑顔で固まり、私は野田さんの言葉のおかしさに首を傾げる。
“主任たち”って言った?
野田さんは平然と私と主任を見て、くりっと首を傾げた。
「あれ? 違いました? 松浦と付き合っているんでしょう? いいんですけどね。せめて松浦を寿退社させるのは決算期を乗りきってからにしてくださいね。大変だから」
野田さんはそれだけ言うと、コートを羽織って事務所を出ていった。
残された私たちの視線が交わる。
「……可南子。めちゃくちゃ顔赤い」
「見ないでください~」
そして、ワザワザ言わなくてもいいです~。
両手で顔を隠して首を振ったら、笑い声が聞こえてきた。
「あー……思わぬところから言われると、案外照れるもんだな」
「思わぬところから言われ過ぎです。恥ずかしい~」
野田さんは、主任以上にいつも真面目に仕事している……だけの人だと思っていたのに。
「……とりあえず。帰るか」
「あ。はい」