強引な次期社長に独り占めされてます!
カウントに入れなかったら、本当にふたりで出かけた事が、実はほぼ無いんだけど……。

考えて、主任の意図に気がつくと、普段通りの真面目な顔を凝視する。

「ふたりきりで、会ってくれるの?」

「ふたりきりじゃなきゃ、デートって言わねぇんじゃないのか? だいたい今夜もこれ“おうちデート”とかって女子は言うんだろ?」

「私の女子力試されても困る」

困るけど嬉しい。いやぁ! どうしよう! 嬉しいけど困るー!

……と言う感じになっているんだけど、主任は気づかずに、眉間にシワを寄せていた。

「って言っても、仕事帰りじゃ時間がねえよな。お前らと違って俺は残業多いし。待たせんのも悪いし」

幸村さんではないけど“お互いに社会人だし”ね。

そしてやっと、私の様子に気がついた彼が、不思議そうな顔をする。

「テンション上がるような話はしてないんだが?」

「ぎゅってされてる!」

「まあ……」

「待ち合わせデート出来る!」

「おお……」

そして、目が点になっていく主任を初めて見てる!

「嬉しいのか?」

「はい」

自分でも、キラキラしてるのはわかるよ!
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