強引な次期社長に独り占めされてます!
「本当に主任は私を好きなんだ……」

「そうだって言ってるだろうが。何を見れば信じるんだよ。愛してるとか言えばいいのか。なかなか言えねーぞ、それって……」

「え……っ」

今のって言っているも同然じゃないか。

ぎょっとする私と、私の反応に不思議そうな主任の視線が絡まる。

「え……って? なんでいきなり慌て始めてんだ?」

「わ、わた……私、まだそこまで聞きたいわけじゃあ……」

慌てて手を振ると、何か考え込むような主任。

一瞬、遠い目をしてから、唐突に頭を抱えた。

「かっこ悪! 今の忘れろ。絶対に忘れろ! コントロールデリートで強制終了しろ!」

「無理ー。なんかもうインプットしちゃったもん~」

お互いに顔を真っ赤にして、それからお互いに頭を抱える。

「お前はどうなんだよ! 少しは俺を好きになったのかよ」

「え。わ、私……私は……」

私の気持ちは……。

「あー……いや。まだ言わなくてもいい。まだな気がする。今は言うな」

ストップをかけられて、口を閉じた。

「……怖いです?」

「当たり前だろうが。つか、まだいい返事もらえるくらい、俺は本気だしてない」

……主任の本気って、どんななんだろう。

きっとお互いに赤くなって、こんな会話してるって、まわりから見たら変なんだろうけど……。

考えて、言える事だけを言ってみる事にした。
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