強引な次期社長に独り占めされてます!
12:大告白
*****
月曜日の朝に、いつも通り出社すると、幸村さんと、沢井さんでしばらくこそこそと話し合っていた。
そこに野間さんが加わり、芳賀さんが加わり、最終的には事務所の女子社員全員が集まるなか、ひっそり傍観していたら引っ張りこまれてしまう。
「なんのお話ですか?」
「バレンタインよ、バレンタイン」
バレンタイン。年に一度、大告白大会となる有名な“バレンタイン”ですか?
「今年は休日バレンタインだから、渡すか渡さないかどうしようって話になって。前々日にしようかってなってんのよ」
「楽しみにしてる男がいるし、あげないわけにもいかないよねー」
「大量に入ってるの一箱でいいんじゃない?」
ワイワイと話していながらガチャリと音がする度に、皆一斉に無言になってドアを見る。
一瞬、固まる男子が続出する中、開いたドアの先に主任がいた。
「……何の集まりだ?」
さすがに怪訝な顔をして、女子の一団を避けていく主任……。
目が合うとニヤッと笑われて、それから知らんぷりでコートを脱ぎ始めた。
あれはきっと、何の話し合いか気がついているよね。半笑いしていたら芳賀さんに小突かれる。
「そこの“自分は関係ない”みたいな顔をしている女子に、買い出し行ってもらうかなー」
幸村さんに睨まれて、大きく手を振った。
「え。ダメです。私はバレンタインチョコなんて買った事がないんです」
「ちょっと、本気で言ってるの? あんた女子を何年やってんのよ」
「……はぁ」
一応、23年やってますが。
ポカンとしたら背後から吹き出されたような音がして、振り返ると主任が真面目な表情でパソコンを眺めている。
月曜日の朝に、いつも通り出社すると、幸村さんと、沢井さんでしばらくこそこそと話し合っていた。
そこに野間さんが加わり、芳賀さんが加わり、最終的には事務所の女子社員全員が集まるなか、ひっそり傍観していたら引っ張りこまれてしまう。
「なんのお話ですか?」
「バレンタインよ、バレンタイン」
バレンタイン。年に一度、大告白大会となる有名な“バレンタイン”ですか?
「今年は休日バレンタインだから、渡すか渡さないかどうしようって話になって。前々日にしようかってなってんのよ」
「楽しみにしてる男がいるし、あげないわけにもいかないよねー」
「大量に入ってるの一箱でいいんじゃない?」
ワイワイと話していながらガチャリと音がする度に、皆一斉に無言になってドアを見る。
一瞬、固まる男子が続出する中、開いたドアの先に主任がいた。
「……何の集まりだ?」
さすがに怪訝な顔をして、女子の一団を避けていく主任……。
目が合うとニヤッと笑われて、それから知らんぷりでコートを脱ぎ始めた。
あれはきっと、何の話し合いか気がついているよね。半笑いしていたら芳賀さんに小突かれる。
「そこの“自分は関係ない”みたいな顔をしている女子に、買い出し行ってもらうかなー」
幸村さんに睨まれて、大きく手を振った。
「え。ダメです。私はバレンタインチョコなんて買った事がないんです」
「ちょっと、本気で言ってるの? あんた女子を何年やってんのよ」
「……はぁ」
一応、23年やってますが。
ポカンとしたら背後から吹き出されたような音がして、振り返ると主任が真面目な表情でパソコンを眺めている。