強引な次期社長に独り占めされてます!
「上原くん。うちの店先で彼女いじめてないでくれないかなぁ」

「なぁに。彼女、意地悪されたの?」

「ダメじゃないの。こんな若い子泣かせちゃー」

ざわざわとした中で、主任がしどろもどろになって弁解している。

「いや。別にいじめたわけでも、意地悪したわけでもなくてですね……」

……とりあえず、今は顔をあげられないことはわかった。

ど、どうしよう。この状況。

考えていたら、ひょいと身体が軽くなって、瞬きしたら視界が高くなっていた。

「とにかく、逃げるぞ可南子」

「え。逃げ……っ」

ぱっと視線を上げると、ご近所のお店の人たちらしい人だかり。それがみるみる遠ざかっていく。

「彼女。いじめるんじゃないわよー」

そんな声に、顔を真っ赤にさせた。










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