強引な次期社長に独り占めされてます!
***



「おはよう。起きたか?」

土曜日の朝、まだ頭が起きた訳じゃないけど、そう聞こえて目を開けた。

「……寝てます」

「俺に襲われてもいいならいいけど」

視線をあげると、すでに主任はロングTシャツにジーンズ姿。片や私は裸ん坊で羽毛布団。

……今、何時なんだろう。

「起きます……」

もぞもぞ動くと、主任が小さく吹き出した。

「シャワー浴びるか?」

「浴びたいです……」

布団が落ちないように気を付けながら起き上がると、主任は何故か少しだけ不機嫌そうに眉を寄せる。

「Tシャツにスウェットでいいか?」

「え。いいです。自分のに着替えます」

「いや。無理だろ」

そう言って主任が広げたのは私のブラウス。……ボタンがいくつかない。

「えー……」

「その……まぁ、ごめん」

そんな記憶が全くないけど……。

「あ。でも、ソーイングセットはあるので、どこかにボタンがあれば縫い付けられます」

「今どきソーイングセット持ち歩く女がいるとは思わなかったが、裸のままで縫い物するつもりか?」

……それは嫌です。
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