強引な次期社長に独り占めされてます!
「ついでに友達少ないでしょ。ブライダル課のなんとかさんだけが友達?」

「余計なお世話です!」

ぐさりとチョコムースにフォークを刺したら、高井さんが口を押さえて向こう側に顔をそらし……一応、遠慮をしながら肩を震わせているから、目を細めて口をへの字にする。

「高井さん。笑い過ぎです」

「ごめんごめん。どうしようもなく素直なんだね、松浦さん。いいねぇ、その素直さを分けてよ」

素直かどうかはともかく、性格的なものを分けることはできません!

「素直じゃないです。私はひねくれ者ですから」

「まあ、言葉は素直じゃなさそうだね。でも自ら“暗い”って言いながら、メチャクチャ自己主張はげしいじゃんか、あんた」

あんた呼ばわりされた。

パチクリと瞬きすると、高井さんはニヤリと怪しく笑う。

「だ、だって、芽依もぐいぐい引っ張るタイプなんですもん。高井さんそっくり」

「芽依ちゃんか、芽依ね。気が合いそうな気がするなー」

うーん。どうだろう?

「私に怪我させたって鬼みたいになってましたから、会わない方が得策かと……」

「おお。お母さんなんだ?」

「いえ。違いますけど」

そんな事を言い合いながら“男の子が好きだ”と、突然カミングアウトされてビックリだったけど、そのおかげか……気負うことなく高井さんとの会話を楽しめた。

そして、帰りにマンションまで送ってもらってから考える。

……本当に、高井さんが“男の子”を好きなのなら、ちょっぴりもったいないな、なんて。









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