強引な次期社長に独り占めされてます!
6:クリスマス・イブ
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そして祝日を挟んだ木曜日。ぐったりしながら電車を降りると、駅の改札口を出たところで主任の後ろ姿を見つけた。

「おはよーごさいます~」

声をかけると主任は何気なく振り返り、「おはよう」と短く挨拶をして一度前を向いてから、バッと身体ごと振り返った。

おお。何だか怖い顔してる。

「なんだ、どうした。具合でも悪いのか?」

あ。いつもの主任じゃない。なんとなくフランクな主任だ。

「昨日、友人に買い物に付き合わされまして……」

主任は少し考えるような顔をして、それから溜め息をつくと、私の隣りを歩き始めた。

「それはお疲れさん。女の買い物熱はとんでもないよな」

……私も女の端くれなのですが。

まるで後輩男子でも相手に話すように言われても、少しだけしょんぼりします。

でも、まぁ、芽依のいわゆる“買い物熱”は、確かにとんでもないんだ。
途中、柊君は呆れて喫茶店で時間潰していたし……だいたいあのふたりは祝日デートじゃなかったの?

何故か最終的には“クリスマスの大変身”とか言い始め、私を着せ替え人形にして遊ぶし……。

やめよう。考えても仕方がない。

「そう言えば主任って、甘いものお好きなんですか?」

「はあ……? 珍しいな。お前から話題を振ってくんの」

眉を上げた主任をちらっと見て、前を向く。

「少し慣れたんだと思います」

「同じ課で働いている奴に、今さら慣れられた俺ってなんだよ。そんな厳しくしつけた記憶はねーぞ?」

私もしつけられた記憶はありませんが。
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