強引な次期社長に独り占めされてます!
6:クリスマス・イブ
*****
そして祝日を挟んだ木曜日。ぐったりしながら電車を降りると、駅の改札口を出たところで主任の後ろ姿を見つけた。
「おはよーごさいます~」
声をかけると主任は何気なく振り返り、「おはよう」と短く挨拶をして一度前を向いてから、バッと身体ごと振り返った。
おお。何だか怖い顔してる。
「なんだ、どうした。具合でも悪いのか?」
あ。いつもの主任じゃない。なんとなくフランクな主任だ。
「昨日、友人に買い物に付き合わされまして……」
主任は少し考えるような顔をして、それから溜め息をつくと、私の隣りを歩き始めた。
「それはお疲れさん。女の買い物熱はとんでもないよな」
……私も女の端くれなのですが。
まるで後輩男子でも相手に話すように言われても、少しだけしょんぼりします。
でも、まぁ、芽依のいわゆる“買い物熱”は、確かにとんでもないんだ。
途中、柊君は呆れて喫茶店で時間潰していたし……だいたいあのふたりは祝日デートじゃなかったの?
何故か最終的には“クリスマスの大変身”とか言い始め、私を着せ替え人形にして遊ぶし……。
やめよう。考えても仕方がない。
「そう言えば主任って、甘いものお好きなんですか?」
「はあ……? 珍しいな。お前から話題を振ってくんの」
眉を上げた主任をちらっと見て、前を向く。
「少し慣れたんだと思います」
「同じ課で働いている奴に、今さら慣れられた俺ってなんだよ。そんな厳しくしつけた記憶はねーぞ?」
私もしつけられた記憶はありませんが。
そして祝日を挟んだ木曜日。ぐったりしながら電車を降りると、駅の改札口を出たところで主任の後ろ姿を見つけた。
「おはよーごさいます~」
声をかけると主任は何気なく振り返り、「おはよう」と短く挨拶をして一度前を向いてから、バッと身体ごと振り返った。
おお。何だか怖い顔してる。
「なんだ、どうした。具合でも悪いのか?」
あ。いつもの主任じゃない。なんとなくフランクな主任だ。
「昨日、友人に買い物に付き合わされまして……」
主任は少し考えるような顔をして、それから溜め息をつくと、私の隣りを歩き始めた。
「それはお疲れさん。女の買い物熱はとんでもないよな」
……私も女の端くれなのですが。
まるで後輩男子でも相手に話すように言われても、少しだけしょんぼりします。
でも、まぁ、芽依のいわゆる“買い物熱”は、確かにとんでもないんだ。
途中、柊君は呆れて喫茶店で時間潰していたし……だいたいあのふたりは祝日デートじゃなかったの?
何故か最終的には“クリスマスの大変身”とか言い始め、私を着せ替え人形にして遊ぶし……。
やめよう。考えても仕方がない。
「そう言えば主任って、甘いものお好きなんですか?」
「はあ……? 珍しいな。お前から話題を振ってくんの」
眉を上げた主任をちらっと見て、前を向く。
「少し慣れたんだと思います」
「同じ課で働いている奴に、今さら慣れられた俺ってなんだよ。そんな厳しくしつけた記憶はねーぞ?」
私もしつけられた記憶はありませんが。