強引な次期社長に独り占めされてます!
「でも松浦ちゃん、高井さんと高級そうなお店で食事したんでしょう? クリスマスは誘われなかったの?」

「……ですから、それはお詫びのお食事だったので。一度ちゃんとお詫びしたいからって言われたから行っただけですし」

それにクリスマスイブのデートって、恋人同士のイベントでしょ?

ナイナイナイ。それはあり得ない。
だって私は“対象外”の人だし。

そう思っていたら背後で吹き出すような音が聞こえてきて、なんだろうと思って振り向くと、真面目な顔をして書類に目を通している主任がいた。

……今の会話を笑われたのかな?

そして私たちの視線に気がつくと、微かに眉をひそめる。

「……沢井と野田が来たら朝礼を始めるぞ」

主任の低い声に、幸村さんは慌ててパソコンのパスワードを入れて、業務準備を始め、私もソフトを立ち上げてキャビネットに書類を取りに行く。

それから少し微妙な空気が流れながらも、朝礼を終えると一日の業務が始まった。









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