3m先の君に恋愛奮闘中



ーーーーーー


そしてその後、気を失った彼女を車に運び、今に至る。


こいつ…生きてる、よな?


さっきから微動だにしない女が少し心配になり、顔を覗いてみる。

すると、彼女から少し音が聞こえる。


ーーースー、スー



ん?これってもしかして…。

寝てる?


は、嘘だろ。気失ってんじゃなくて寝てるだけかよ。

…つかこの女、よくこんな状況で寝てられるな。


よく見ると女はすげえ幸せそうな顔をして目を閉じている。


「はは、まじありえねえー」


面白い女。


俺は久しぶりに何も考えずに声を出して笑った。

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