3m先の君に恋愛奮闘中



* * * *


王子様は、深い眠りについた姫に、
優しい声と甘い臭いで囁いた。


「…いつまで寝てんだよ」


そして、王子様は姫の頬に触れ、

静かに近いのキ……

キ………

「おい」

って。


あれ?


「あ、起きた」


うわああああ、!!!!

目を開けた私の前には、Ranの顔。


「な、なんで?!」

「ん?覚えてないの?」

あれ?
さっき夢の中で聞こえていた声とは
全然違う、優しい喋り方。

やっぱりさっきのぶっきらぼうな言い方は幻聴だったのかな?

そして、さっきまでの出来事を思い出し、一気に顔が火照るのを感じた。

「お、思い出しました」

「良かった。喉乾いたでしょ。なんか飲む?」

「あ、はい…」

Ranは私の返事を聞くと、ベットから降りた。


いや、待てよ。
彼のテンポに流されて、軽く返事をしてたけど…………

嫌に綺麗でピンクが漂うこの部屋は一体?!
そして私はなんでベットの上に?!

よく見たらライブの時きてきた服と違う白いルームウエアに着替えさせられている。

………白いルームウエアって。

いやいやいや、Ranが私とそんな卑猥な場所に?


え、そんなことあるはずないよね?



< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop