3m先の君に恋愛奮闘中
* * * *
王子様は、深い眠りについた姫に、
優しい声と甘い臭いで囁いた。
「…いつまで寝てんだよ」
そして、王子様は姫の頬に触れ、
静かに近いのキ……
キ………
「おい」
って。
あれ?
「あ、起きた」
うわああああ、!!!!
目を開けた私の前には、Ranの顔。
「な、なんで?!」
「ん?覚えてないの?」
あれ?
さっき夢の中で聞こえていた声とは
全然違う、優しい喋り方。
やっぱりさっきのぶっきらぼうな言い方は幻聴だったのかな?
そして、さっきまでの出来事を思い出し、一気に顔が火照るのを感じた。
「お、思い出しました」
「良かった。喉乾いたでしょ。なんか飲む?」
「あ、はい…」
Ranは私の返事を聞くと、ベットから降りた。
いや、待てよ。
彼のテンポに流されて、軽く返事をしてたけど…………
嫌に綺麗でピンクが漂うこの部屋は一体?!
そして私はなんでベットの上に?!
よく見たらライブの時きてきた服と違う白いルームウエアに着替えさせられている。
………白いルームウエアって。
いやいやいや、Ranが私とそんな卑猥な場所に?
え、そんなことあるはずないよね?