3m先の君に恋愛奮闘中
Ranは紅茶を入れたティーカップを持ってベットに戻ってくると、ライトが置いてある小さなテーブルにそれを置いた。
それから焦った様子の私に上品に微笑んだ。
「どうかした?」
「あ、あの!ここって会場裏とかにあるお部屋かなんかですか?」
「?」
「すいません。わざわざ連れてきてもらっちゃって…」
「いや、ラブホだけど」
「……っ」
頭ではわかっていたものの信じたくない事実が彼から返ってきて、それからだんだんと額から汗が出てくる。
そして、私のこの格好………。
見るとRanも裏口から出てきた時とは違う格好をしている。
「あの、まさかとは思いますが、私たちは………」
「あいにく、まだヤッてないよ」
「よかった…」
ひとまず、安心はしたものの、
この状況を私はどう解釈したらいいんだろう?
でも普通に考えて
気を失った…まぁ寝てたみたいだけど、
そんな私を優しいRanが助けてくれて
近くにあったその…ちょっと、いかがわしいホテルにしょうがなく入って、
私が起きるのを待ってたってところだよね。
こんなに話せているのは嬉しいけど
ビックスターに飛んだ迷惑をかけちゃったな……。