君を想う【実話】


「恥ずかしい..」


周りからの視線が痛い


それもそのはず、瑠奈の背中には大きなぬいぐるみがしっかりと結ばれていた


「帰りのことまで考えてなかったわ!笑」


海斗はミラー越しの瑠奈の姿に笑っている



家につくと、何故かリビングが賑やかだった


「もう夜なのに、どうしたのかね」


海斗に手を引かれ、リビングに入る



「「瑠奈、誕生日おめでとーっ!!」」



そこには笑顔のパパ、ママ、お姉ちゃん、お兄ちゃんの姿



みんなの声に瑠奈は目を丸くする


「..あっ!!」


瑠奈は思い出したかのように声をあげた


「そういうこと!」


海斗は笑顔で瑠奈の頭を撫でる


テーブルの上には、ご馳走が並ぶ


「さぁ、食べて食べて!ケーキもあるからね」


そう言って、海斗そっくりな笑顔で笑うママ


「みんなありがとうっ!いただきまぁす!」


瑠奈が喜ぶと、みんなも嬉しそうに笑う


「そのぬいぐるみ可愛いー!」


「瑠奈、酒飲むか?」


様々な会話が飛び交う


いきなり住み始めた瑠奈に誰も文句を言わず、こんなにも良くしてくれる


本当の家族みたいに暖かい、海斗の家族
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