君を想う【実話】
§第12章..過去§
暑い夏の日
去年の今頃、智也に出会った
今、瑠奈の隣にいるのは海斗
「夜の海っていいよね。すごい綺麗!」
瑠奈は海を眺めながら微笑む
二人は海にきていた
夜の海
辺りを見渡しても、人は一人もいない
波の音だけが聞こえる
「瑠奈は、よく笑うようになったな」
海斗は微笑む瑠奈を嬉しそうに見つめる
それだけで、瑠奈には海斗の言葉の意味がわかった
「海斗のおかげだよ」
本当にそう思う
「ねぇ、海斗はなんで瑠奈を好きになったの?」
「なんだよ、いきなり」
興味津々に詰め寄る瑠奈
「いーじゃん、聞きたいの!教えてよ」
「ぜってぇーやだ」
「..海斗なんか嫌い」
瑠奈は拗ねたように、そっぽを向く
「..わかったよ」
海斗は諦めたように溜め息をつく
「笑うなよ?」
「笑わないっ!」
海斗は瑠奈の頭を撫でると、海を見ながら話始めた