君を想う【実話】


「俺、風呂はいってくるから」


家につくと、海斗は真っ先にお風呂へ向かった


いつもは一緒に入ろうってダダこねるのに..


海斗のさりげない優しさが嬉しい



「はぁ..」


意を決したものの、携帯の前で手がとまってしまう


深呼吸し、海斗の言葉を思い出す



♪〜



「えっ!?」



いきなり鳴り響く着信音



タイミングよすぎ..



恐る恐る、携帯に手を伸ばす



着信、静―



「..しずか」



久しぶりに口にする名前



瑠奈は無意識に通話ボタンを押していた



「えっ!?繋がった!瑠奈っ!?瑠奈なの!?」


懐かしいその声


「..ぅっ..しずかぁ..っ..」


涙が溢れてくる


「瑠奈、大丈夫なの!?ねぇ何があったの!?どこにいるの!?大丈夫!?」


それだけで、今までどれほど瑠奈を心配していたのかが痛いほど伝わってくる


「..大丈夫だょぉ..しずかぁ..ごめんねぇ..っ」


「馬鹿っ!!みんながどれだけ..っ..るなぁ..無事でょかったぁ..ぅぅっ」


安否を確かめ安心したのか、静まで泣き始めた
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