君を想う【実話】
「じゃぁ、また電話するわ。あんま考えすぎるなよ..」
「うん、ありがとう」
電話を切って、煙草に火をつける
堪えていた涙が瑠奈の頬を流れ落ちた
「..ごめんね..っ」
やりきれない思いに泣き崩れた
まさか、智也が瑠奈と同じ道を歩んでいたなんて..
瑠奈と別れた後の智也は今まで以上に荒れた
学校にもいかなくなった
手を切っていた危ない連中とも絡みだした
そして
智也は地元から消えた
みんな探していて情報はあるものの、戻ってきたことはないという
瑠奈が智也の人生を変えてしまった―..
智也のためにと選んだ別れが
結果、智也を一番苦しめることになってしまった
大好きな地元を
大好きな仲間を
捨てるほどに..
その辛さは、瑠奈が一番わかっているはずなのに
それなのに瑠奈は―..
きっと智也も待っている..
救い出してくれる手を―..