君を想う【実話】
〇高校が見えると、その前に一台のタクシーがとまっていた


「ここでいいです!お釣りいりません!」


瑠奈は急いで外へ出る




ブォーンッ―




二台のタクシーが闇に包まれていく



「ともや..」



そこにはもう、二人しかいない



「..るな」



まるで引かれあうように、どちらからともなく抱き締めあった



「会いたかった..」



振り絞るような智也の声


「瑠奈も..」


離れてしまわないように、強く強く抱き締めあう



智也も瑠奈も泣いていた




言葉なんていらなかった―..




大好きだった智也




大好きな智也..





自然と、二人の唇が重なりあった



「しょっぱ..」



顔を見合わせ、笑いあう


久しぶりのキスは、涙でしょっぱかった
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