君を想う【実話】
「海斗どこいったー?..って瑠奈、なんで荷物まとめてんだよ!?」
お兄ちゃんは驚いたように声をあげた
「..なんかあったのか?」
心配そうな顔で瑠奈を見る
瑠奈は、お兄ちゃんに全てを話した
‥
「そっか..寂しくなるな。でも、幸せになれよ」
お兄ちゃんは責めることもせず、大きな手で瑠奈の頭を撫でる
「海斗のことは心配すんな。あいつは、大丈夫だから」
そう言って、海斗より少し大人びた顔で笑った
「うん..」
その笑顔に安心する
「よしっ!俺も手伝ってやるよ。リビングとかにも瑠奈の物あるだろ?」
「うん!お兄ちゃん、ありがとね」
家には、瑠奈とお兄ちゃんの二人しかいない様子
海斗が出ていってからは、数時間がたっていた..
思い出の品を見る度に、その時の幸せな時間を思い出してしまう
「瑠奈、飯食べようぜ」
お兄ちゃんに呼ばれ、リビングにいく
「みんなは?」
「姉貴は男んとこ。親父とお袋は結婚記念日だかなんだかで出かけてる」
テーブルの上には瑠奈の好きな、お兄ちゃん特製のパスタ
二人で食べるのは初めてで、なんだか不思議だった