君を想う【実話】
「..01時13分、ご臨終です」
涙が溢れ、呼吸ができない
徐々に意識が遠のく―..
‥
海斗..
全部、瑠奈のせいだ―..
「瑠奈..」
優しい声..
暖かいぬくもりを感じる
海斗..?
目を開くと、お兄ちゃんが瑠奈を抱き抱えていた
「..瑠奈、平気か?」
お兄ちゃんの真っ赤に腫れた目が、痛々しい..
瑠奈を心配そうに見つめるその顔が、海斗の顔と重なりあう..
「..かぃと..っ」
瑠奈の目から、再び涙が溢れる
「瑠奈の..瑠奈のせいで..っ」
「違う..っ!!」
お兄ちゃんの手が、力強く瑠奈の肩を掴む
「最後に..最後に海斗が言った言葉、思い出せよ..っ!!」
最期の海斗の顔―
最後の言葉が蘇る..
瑠奈、愛してる―
海斗は生涯の最後に
瑠奈への愛の言葉を選んだ―..