君を想う【実話】
最後の夜、海斗の隣で冷たい手を握りながら眠った





このまま目が覚めなければいいのに..






そんな願いは叶うことなく、朝はやってくる







今日が本当のお別れ―







もう二度と、海斗の姿を見ることはできない







移動の車の中、みんな無言だった






本来、火葬は身内だけ..






それを瑠奈は特別に参加させてもらう







棺の中で眠る海斗





その横には、刺繍欄とエンジンの欠片と瑠奈との写真が入れられた







火葬場につくと、担当のおじさんみたいな人が何やら説明をしていた






多分、誰の耳にも入っていない







海斗がいなくなる―







押し寄せる恐怖に、お兄ちゃんの手をギュッと握り締めた







棺が閉められる







泣き崩れるママとお姉ちゃんを抱き締めるパパ







鳴り響く出棺の合図







ゆっくりと、海斗がみんなから離れていく..







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