君を想う【実話】
別れの日は刻、一刻と迫る
クリスマスはママのご馳走でパーティーをした
年越しは、みんなで過ごした
休みは、お兄ちゃんやお姉ちゃんに遊びに連れてってもらった
‥
そして、別れの日―
海斗と過ごした部屋を目に焼き付け、別れを告げた
仏間にいき、海斗の遺影に手をあわせる
こみあげる涙を笑顔に変え、ありがとうと呟いた
「瑠奈、あの子の..海斗のそばにいてくれてありがとう」
「またいつでも遊びにきなさい」
いつも優しく、瑠奈を娘のように可愛がってくれたパパとママ
「瑠奈、暇な時は連絡してね!」
天真爛漫で、妹のように可愛がってくれたお姉ちゃん
「今までお世話になりました。みんなが海斗の家族でよかった!また遊びにくるからね」
瑠奈は深くお辞儀をし、笑顔でみんなに手をふった
「瑠奈、いくぞ」
お兄ちゃんは、瑠奈の荷物を抱えて車に運ぶ
家まで送るというのを何度か断わったが、結局は最後までその優しさに甘えさせてもらった
瑠奈が乗り込むと、お兄ちゃんは車を静かに発進させた