君を想う【実話】


「寂しくなるな..ちゃんと卒業して、高校いくんだぞ?好きな奴にも素直になれ」



最後まで瑠奈を心配するお兄ちゃん



自分が辛い時でも人のことを心配するとこは、海斗にそっくり



「うん、お兄ちゃんも仕事がんばってね!」


話をしていると、段々と瑠奈の家に近づいていく



車内は静まり返る



「瑠奈..ほんとにありがとな」



海斗と同じ、優しい目



「..あいつ、瑠奈に会うまでどうしようもなくてさ。親父やお袋とは、まともな会話なんかしてなかったんだよ」



瑠奈は黙って耳を傾ける



「瑠奈に出会って、ほんとに笑うようになった。あんな優しく笑う海斗は見たことなかったよ」



そう言って、思い出すように微笑んだ




車は、瑠奈の家の前に止まる..




「瑠奈、海斗のぶんも幸せになれよ。俺、瑠奈のことは妹だと思ってるから..たまには連絡くらいしろよ?」


「ありがとう。お兄ちゃんは、ずっと瑠奈のお兄ちゃんだから..みんな、体には気をつけてね。また連絡するね」



最後にお兄ちゃんは、海斗のように瑠奈の頭を優しく撫でる




瑠奈は、車が見えなくなるまで手を振り続けた
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