君を想う【実話】



本当に海斗と海斗の家族には、感謝してもしきれない..



そんな思いに熱くなる目頭を押さえ、久々の実家に足を踏み入れた





ガラッ―




リビングのドアを開ける




家族は、驚きを隠せない様子で瑠奈を見た




実の娘が半年以上も家に帰ってこなかったんだから、いくら放任でも当然の反応だと思った




普通はもっと驚いたり泣いたり、捜索願い出したりするんだろうけど..




何となく気まずくて、自分の部屋に足を運ぶ



「..おかえり」



後ろ姿に呟かれたその一言




何故か、涙がでそうになった..




久しぶりの自分の部屋に足を踏み入れる



ふと壁を見ると、新しい制服がかかっていた




制服はあの時、捨てたはずなのに..




スカートはもちろん、セーラーの上も瑠奈好みの短い丈



手に取ると、堪えていた涙が少し流れた..





涙を拭い、そのままベッドに倒れ込む




明日から、半年以上いっていない学校に行く..




瑠奈は海斗が亡くなった時から、再び誰とも連絡を取らなくなった




明日は、ちゃんと伝えよう..




そう思いながら、眠りについた



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