君を想う【実話】
♪〜
翌朝、携帯のアラームで目が覚めた
重い体をゆっくりと起こす
「はぁ..」
思わず溜め息がもれた
元から憂鬱な学校が空白の月日を隔てて、余計憂鬱になる
みんな、どんな顔するかな..
今、受験シーズンか..
ぼんやりとそんなことを考えながら、久しぶりの制服に身を包む
それから化粧をして、髪型をセットする
「..よしっ!」
最後に、頬を思いきり叩いて気合いを入れた
生徒手帳に海斗の写真を入れる
その中には瑠奈の肩を抱き、満面の笑みを浮かべる海斗がいた
「..いってくるね」
やっぱり海斗がいると、心強い
もう既に始業式は始まっている
瑠奈は学校へと向かった
‥
久しぶりの校内に懐かしさを感じながら、体育館の扉の前に立っていた
例のごとく、最初に指導室に行ってみたが誰もいなく受験シーズンだということを思い出す..
きっとみんな、面接や内申のために身なりだけでも真面目にしているんだろう
分厚い扉の向こうからは、教員などの話し声が聞こえてきていた
瑠奈は大きく深呼吸して、扉に手をかける