君を想う【実話】
気付けば瑠奈は、部屋を飛び出していた
階段を駆けおりる
「..瑠奈?」
そこには、智也の姿―
とても驚いた様子で瑠奈を見つめる
横にいる浜田先輩も、口をあんぐり開けていた
「瑠奈っ!?なんでここに!?」
二人の声が見事にハモった
「瑠奈、帰ってきたの。それでみんなが、お祝いして―..」
一瞬にして瑠奈の体は、ぬくもりに包まれる
顔をあげると、智也に抱き締められていた
「おかえり..」
その声が、とても優しくて胸のモヤモヤがスーッと晴れていくのを感じた
浜田先輩は気を利かせたのか、部屋に戻っていく
「..ただいま。遅くなってごめんね」
瑠奈も智也の背中に手を回して、しっかりと抱き締めた
「帰ってきてくれたんだから、それだけでいい..」
二人はしばらくお互いの体温を感じあうと、体を離して微笑みあった
「俺..あれからみんなんとこ戻って、前と変わんねぇ生活送ってるよ。学校もちゃんといってる」
それを聞いて安心すると、今までためていたものが涙となって流れた
そんな瑠奈に、智也は優しいキスをくれた