君を想う【実話】
みんなで練習をした歌をうたう
ゆずの"いつか"
その途中途中に、様々な呼びかけが入る
みんなに涙が溢れた
瑠奈の頬も自然に涙が伝う
静や麻衣や綾も、肩を震わせ泣いていた
意外にも竜達も顔を塞ぎ、泣いていた
最後は誰も歌えなくなってしまい、みんなの泣き声だけが響いた
後から聞いた話、今までに例がないほど、感動の卒業式だったらしい..
みんなが席に戻る
いよいよだ―..
「卒業生代表、佐々木 瑠奈」
その言葉に、みんながざわめく
瑠奈は涙を拭い、再び壇上に上がった
‥
事の始まりは、学年担任の言葉だった
「佐々木、卒業生代表をやってみないか?」
その真剣な表情に、瑠奈は驚きを隠せない
もちろん最初は断った
ろくに学校にもきてなかった瑠奈にできるはずない..
「佐々木のことなら、みんなが知ってるし..それにお前、意外と評判いいんだぞ?」
そう言って笑った
瑠奈は考えてた結果、意を決してやることに決めた
智也が電話で背中を押してくれたから―..