君を想う【実話】


「その髪なんだよ。入学式までに直してこいよ」


なんだか中途半端な奴等に、段々と瑠奈も苛立つ


「は?中学ん時からずっとこうだから、あんた等に言われることじゃない」


腕を組み、女達を睨む


「なにこの餓鬼―っ!」


「おい」


女達が何か言い終わる前に、瑠奈の視界が暗くなった



「お前等、まじみっともねぇ。さっさと帰れ」



その声に、自分の前に誰かが立っていることに気が付く


女達は、罰が悪そうに去っていった



「..平気か?あいつ等、タチ悪いんだよね」


そう言って、瑠奈を覗き込む男



いかつい..



「あ、助けてくれてありがと!」


助けてもらったことを思い出し、お礼をいう



男はそのまま瑠奈の手を掴み、歩きだした



「俺、二年の尚輝。お前は?」


尚輝(ナオキ)は何故か笑顔だ



笑ってればいかつくない



「..瑠奈だけど。ねぇ、どこ行くの」


瑠奈の言葉を無視して、自販機の前で足を止める


「瑠奈だから、るぅだな!よろしく」


そう言って、尚輝は買ったジュースを瑠奈に投げた
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