君を想う【実話】


「ねぇ、なんでオレンジジュースなの?」


迷わず選んだオレンジジュースに瑠奈は不思議そうに尚輝を見る


「オレンジジュースっぽいから」


馬鹿にされた気がして、ムスッとする


「怒るなよ!まぁ、座れば?」


瑠奈がベンチに座ると、尚輝も隣に腰かけた


「..尚輝くんは補習なの?」


「尚輝でいいから!そうだよ〜だるくて抜け出したら、可愛い子みつけたから誘拐してきた!」


尚輝は見た目と違って人なつっこくて、すぐに仲良くなった



「でさ、その時に」


「おいっ!なお―..」



二人の会話が止まり、声のほうを振り返る



「..なんで、瑠奈と尚輝が一緒にいんだよ?」



そこには、不機嫌な様子の智也..



「先輩に絡まれてたら、尚輝が助けてくれたの」


「ふーん..尚輝、ね」


逆効果だったみたいで、更に智也の声のトーンが下がる



っていうか、彼氏でもないのに何で怒るの!?



「るぅって、智也の女なの?」



そんな気持ちを代弁するように、尚輝が言った



その場が静まる..



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