君を想う【実話】
尚輝の表情に、まずいことを言ってしまったと思って慌てて口を閉じる


そんな瑠奈に尚輝は軽く笑い、今度は複雑な表情を浮かべた


「俺は平気だったけど..智也に何も聞いてねぇ?」


意味がわからず、瑠奈は首を横に振る



「..智也、留年したんだぜ?」



その言葉に、瑠奈の思考回路が停止した..



「智也、補習がんばってたんだけど..やっぱ半年の欠席はどうにもなんなくて」



尚輝の声が頭に響く






智也が留年?―






半年の欠席?―






..






「おい?平気か?」



尚輝の声にハッと我に帰る



「..ごめん。平気」


「まぁそういうことだから、智也と仲良くしろよ!またな!」



尚輝の姿が遠ざかっていく





仲良く..?





そんなこと、できるはずがない






瑠奈のせいで..





瑠奈のせいで智也は―






だから、智也は瑠奈を避けてたんだ..





当たり前だよね..






瑠奈の存在は、智也を苦しめるだけなんだ―..




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