君を想う【実話】
「瑠奈、平気?..一年は写真とりいくみたいだよ」
静が心配そうに瑠奈を覗き込む
「..平気。いこっか」
瑠奈は笑顔を作り、静と一緒にみんなの後を追って中庭へ向かう
智也から..
智也から離れてあげなきゃ..
「..痛っ」
前を歩いていた静がいきなり足を止め、瑠奈は背中にぶつかった
「ちょっと、しずか―..」
おでこを押さえながら、静の後ろから顔を出す
その時、
瑠奈の目に飛び込んできた光景―
女の人と腕を組みながら、笑いあってる智也の姿だった..
「静..早くいこっ」
瑠奈の声は震えていたかもしれない
静は黙って瑠奈の手を取り、足早にその横を通り過ぎた
「瑠奈..」
静が何か言っていたが、頭に入ってこなかった
脳裏に焼き付いて離れない、智也と女の姿
でも―
これで、いいんだ..
これで―..