君を想う【実話】
瑠奈は状況がわからず、智也を見る


「あれ?健一は?」


智也がその男達に声をかける


「恥ずかしいとか言って、逃げるんすよ」


数名の男達は笑いながら、瑠奈と智也のほうをみた


「おい、けんっ!瑠奈ちゃんきたぞ!!」


その男の言葉に、一人の男がゆっくり姿を現す



一体、何なんだよ..



そんなことを考えながら、瑠奈はその光景を黙って見ていた


けんと呼ばれた男が、瑠奈の前へ押し出される


その見た目とは不似合いな、真っ赤にした顔



「こいつ、瑠奈のことすげぇ気にいっちゃって..」



智也は瑠奈に笑いかけながら、健一の肩に手をまわした



「だから、メアド教えてやってくんない?」



その言葉に、頭を殴られたような重い衝撃がはしる




そこには、尚輝と話をして嫉妬していた智也はもういない





智也に彼女がいるのは、わかったよ..





でも、だからって―..






「..いいよ」



瑠奈は何かを吹っきったように、笑顔で答えた



顔を真っ赤にした健一(ケンイチ)とメアドを交換する



そして、智也の顔を見ることなく瑠奈は直ぐ様、教室へと戻った



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