君を想う【実話】
§第18章..人形§
「一目惚れだったんだ。瑠奈を知って、もっと好きになった。俺と付き合ってほしい」
そんなことから、一週間ほど過ぎた日の放課後
今、瑠奈の目の前には、あの時と同じように顔を真っ赤にした健一がいる
あれから健一とは、何度か一緒に学校に登校したり、お昼を食べたりした
「..瑠奈は、やめたほうがいいよ」
そんな健一を真っ直ぐに見つめ、突き放すようにそう言った
「..俺は、瑠奈がいいんだよ。絶対幸せにするから!」
中々引き下がらない健一
そんな時、またもや見てしまった..
智也と彼女の姿―
「..わかった」
気が付けば、瑠奈は返事をしていた
喜ぶ健一の姿なんか、瑠奈の視界に入っていない
段々と近寄ってくるその姿..
「おっ!健一、うまくいったみたいだな」
笑顔で健一の頭を小突く
照れたように笑う健一
智也は知ってたんだ..
「だいじにしろよ」
「もちろんっすよ!」
二人の会話が頭の上で飛び交う
瑠奈の顔には、何の表情もなかった