君を想う【実話】
学校につき、屋上へと階段をあがる


屋上好きは、中学から変わらないまま


煙草に火をつけて、空を仰いで手を伸ばす




「海斗..」




返事のない、名前を呼ぶ




こんな瑠奈をみたら何ていうかな..




失笑に似た笑みで、大きな溜め息をつく





「るぅ〜なっ!」



いきなり背中にズッシリと重みを感じる


見上げると、オレンジ色の髪が目に入る


「なんだ、健一か」


「なんだってなんだよ!瑠奈、冷たすぎ」


健一は、拗ねたように瑠奈にくっついて座る





本当に純粋な健一..




見た目とは違って、初体験もまだ済ましていない




本気で好きになった人は、瑠奈が初めて―




いつもそう言っていた




初めてだなんて知らずに、健一の初キスを瑠奈は受け取ってしまった




本気で好きになった女がいいって決めてたから、初めては瑠奈としたい―




でも、そんなことできるはずなかった..






「今日、デートしよ?」



健一の声で我に返る



幸せそうな笑顔が眩しい



「..うん、いいよ」



瑠奈の返事に、健一の顔は一段と笑顔を増した
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