君を想う【実話】
毎日が空白のように過ぎていく―
唯一、静や綾達と遊ぶ時だけが、瑠奈の顔に笑顔が戻る時だった
智也はたまに話をかけてくるものの、気まずい空気に会話が続かない
‥
「ねぇ、下の階うるさくない?」
静が不思議そうに窓から顔をだして、下を見る
「誰かが暴れてんじゃん?亮介だったりしてね〜笑」
瑠奈は対して気にもとめず、静をからかう
ガラッ―
教室の扉が壊れそうなくらい、勢いよく開いた
「るぅっ!」
同時に、瑠奈を呼ぶ尚輝の姿が見える
一斉に静まる教室
ズカズカと足を踏み入れ、尚輝は瑠奈を片手で抱きかかえた
「な、なおきっ!?」
状況が理解できないまま、尚輝に連れ去られる
「ちょっと!おろしてってば!」
その言葉を無視して、暴れる瑠奈を抱えたまま走る
諦めて抵抗を辞めた
瑠奈の背中に、段々と乱闘のような声が近づく
静が言ってたのはこれか..
そんな冷静なことを考えていた
「おい!ともやっ!!」
尚輝の足が、階段の途中で止まる
それと同時に、尚輝の怒鳴り声が耳元で響いた