君を想う【実話】
「智也がその女に瑠奈が絡まれたって知って、瑠奈に手をだすなって言ったんだよ」
優しい眼差し
智也がそんなことをしてくれていたなんて―..
「その女は、ずっと智也が好きだった。それで自分と付き合うのを条件に、みんな瑠奈に手を出させないって言ったんだ」
だから..
瑠奈と静は、飛び抜けて目立つ存在
先輩に呼び出しを受けないことに疑問を抱いていた
「俺はこんなんだから女はビビってるし、俺がなんとかするって言ったんだよ。なのに、智也の奴..」
でもすぐに悲し気な笑みを浮かべて瑠奈を見つめた
「俺が瑠奈を守るんだ、って。今度は絶対に自分で守るって..」
目頭が熱くなる..
今度は―
瑠奈がレイプされたことで、智也は自分を責め続けていたんだ..
「瑠奈も智也が好きなんだろ?見てりゃ、わかるよ」
瑠奈は涙を流して頷く
「なら泣いてないで、今すぐいってやれ!健一とのことは、智也から聞け」
そう言って尚輝は瑠奈の背中を押してくれた
「尚輝..ありがとう」
瑠奈は走り出した
智也の元へ―