君を想う【実話】
空き教室に入ると、二人は座った


「今日、何があったの?」


すぐに本題に触れる



早く全ての真実を知らなければ―..



その気持ちが瑠奈を急かした



「..俺、瑠奈の気持ちも智也くんの気持ちも気付いてたよ」



その切な気な笑顔に、驚きを隠せなかった


瑠奈は黙って、健一を見つめる



「今日な―..」














「ごめん..健一、ごめんね..」



全ての真実を聞いた



「いいんだ..俺がずるかったんだ。瑠奈が好きだから、離せなかった」



健一の手が、優しく瑠奈の頭を撫でる


瑠奈は、静かに首を横にふった



「なぁ、俺が告った時に瑠奈は辞めたほうがいいって言ったじゃん?」



瑠奈なんか、辞めたほうがいい―



「俺、後悔してないから。本気で好きだった。俺から最後は言えない。だから..」



その言葉の意味..



「健一、ごめんね。ありがとう..瑠奈と別れて..」



健一は、泣きそうな瑠奈の頭をクシャクシャにする



「智也くんには適わねぇ!瑠奈、楽しかった。ありがとう」



健一が瑠奈の元を去っていく



その顔には、涙が溢れていた..





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