君を想う【実話】
健一に聞いた話は、こうだった―..
健一は、瑠奈の気持ちと智也の気持ちに気付いてた
瑠奈が苦しんでることも知っていた
智也は彼女がいるのに、瑠奈の話を聞くたび辛そうな顔をする
健一は、そんな二人に痺れを切らした
「瑠奈を振り回さないでください。もう、解放してやってほしい」
智也は何も言い返さなかった
でも..
「結局、智也くんの気持ちなんてそんなもんなんすね」
その言葉に、智也は健一を殴った
「そんな中途半端な気持ちのわけねぇだろ!俺は瑠奈が..」
智也は歯を食い縛る
「言えないんすか?瑠奈を苦しめるだけ苦しめて、自分は逃げるんすか?」
止まらない健一の言葉に、始まった争いは止まらなかった
健一は、智也を尊敬している
かっこよくて強くて優しくて―
そんな話を何回も聞いたことがあった
だからこそ、そんな智也を許せなかった
智也から本当の気持ちを聞くために―
瑠奈を苦しみから解放するために―
健一は、大切な二人のために自分を犠牲にした